ぱっとできなくても、無駄ではない

中邑賢龍先生の
「AI時代だからこそ」
を読みました。

ここに書かれているように「Rosewood」は大変素晴らしいアプリです。
研究会でデモを見せてもらった時には、久々に興奮しました。
正式公開が本当に楽しみです。

ただ、自分にとって、この文章のポイントは
「失敗を繰り返しながら積み上げていった会話、そこで知った障害のある人の身体特性や暮らし。そんな時間は決して無駄ではなかったように思える。」
という部分です。

中邑先生の例の「パッとやれ」という言葉と一見相反するようにも見えます。
しかし、そもそもこの文章の中には、支援者として当事者の時間を無駄にしてはならないという使命感と、しかし実際は理想の形にはなかなか持っていけない無力感、だからこそせめて先進的なテクノロジーを取り入れて支援技術をアップデートしていこうという意志を持ち続けることの大切さ、さらに加えて、そう志向することで、ともすると失われかねない本人の意思の尊重という最も大切な物への警鐘、とさまざまな視点が、短い中に重層的に織り込まれています。

3月は別れの季節。
十分に力になれなかった子供たちや同僚への思いで、少し潰されそうになっている人もいると思います。自分に力があれば、あんな事もできたのではないか、こんな事もできたはずではないのか。
それは、明日4月になれば心機一転、悩みも吹き飛ぶというほど簡単な物ではありません。
でも、中邑先生のこの言葉は、それでも4月から真剣に子供達に向きあう人の支えになるような気がします。
みなさん1年間お疲れ様でした。
来月からまた頑張りましょう。

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