やっと読めたよ、名作の誉高い
「タズー惑星の地下鉄」を!
SFマガジンで一度訳されたきりで、日本のアンソロジー等には収録されていなかった作品。
異端技術部隊シリーズと呼ばれる、まあ、要するになんだ、異星人が残した謎の技術を解明するプロの技術屋集団の連作らしいんだけど、そもそもシリーズの中で訳されているのがこの「タズー惑星の地下鉄」だけなので、全貌は全然わからない。しかもこれ、シリーズ第2話(なんじゃそれ)。
しかし、期待に違わぬ傑作でした。
過酷な異星の自然環境の描写。
絶滅した支配種族の形態や社会を少しずつ解いていく過程。
使途不明の謎の楽器様の物体。
そして発見される動力が不明な地下鉄網。これを復元し、惑星開発に役立てるのが異端技術部隊の使命。
ここまで読んで燃えない人とは、きっと全く話が合わない気がします。
最後に全てのパーツががっちり組み合わさって、異星文明の謎が解明される瞬間。
これこそがセンス・オブ・ワンダーってやつです。
原稿執筆が終わってなかったり、旅が続くので、長めの本を読む事ができずにいる中、幻の名作が収録されたアンソロジーが出るのはありがたい。
残りの人生、どれだけ「読みたくても読めないまま」だったの作品を読む事ができるのか。
噂の「無頼の月」…頼む、国書刊行会さん、早く…。