7月末に岡耕平先生がTwitterで(あくまでTwitterで)紹介されていた本。
岡先生のお勧めですから、迷わず注文。
特に「勉強になった!」と素直に感じたのは第3章。
特に先日の話題に絡めて「ああ、そういうことだよね」と腑に落ちる表現が多数あり、すっきりしました。
以下、引用(文意を損なわない範囲で一部省略)。
心の理論は元々、かなりモジュール的な方式で概念化された。すなわち、ある特定の発達の時期に現れるスキル(結局は誤信念課題を通過する能力により標識する)として、そして有るか無いかのいずれかのスキルと考えられた。しかし、対人認知発達について最新の説明では、誤信念課題の達成はもっと複雑な発達の軌跡の中で位置づけられるようになった。ことばを用いない信念の把握や欲求の推定のような ToMの早期の例と、共同注意や感情認知のような関連のある行動の両方が、この軌跡に組み入れられている。
自閉症の発達理論は、一つの単純なテスト(誤念課題の理解)により標識される単一の缺損(ToM のスイッチを入れることの失敗)に焦点を当てるよりもむしろ、子どもの周囲の環境との関係の発達早期の微妙な適いが、子どもを普通とは異なる発達の経路を辿らせ、そのことが自閉症の診断的特徴を形成するパターンにつながる。と仮定する。
引用以上
ただし、これは僕の能力の問題ですが、全体的には結構読み慣れない言い回しや表現もあり、読みながら「ん?」と躓く箇所も多い本でした(個人的感想です)。でも、まさに最新の知見を取り入れた良書。自分が言うのもなんですが(岡先生に感謝しつつ)お勧めです。