3Dプリンターは教材作成工房になりうるか・その3「3Dプリンターはデモテープ作りに似ている(ような気がする)」

前回の記事に、杉浦社長から
「プロトタイプづくりのもの、ということですかね。」
というコメントが入り、それに対して自分は
「プロトタイプと本チャンの境目は限りなく曖昧」
と返事をしたんですが、これってなんとなくバンドのデモテープ作りに似ているな、と思いました。

ここで音楽の話にしてしまうと、またも読者が光の速度で離れていくんでしょうが。

昔は「曲を作る」という作業は、作詞家がいて、作曲家がいて、編曲家がいて、という形が当たり前だったんですね(そうは言ってもこれだって、長い音楽の歴史の中では最近生まれた形態にすぎないですけど)。もちろん、今でもそういう分業で作られる曲は多いわけです。

これは製造業での、意匠、設計、金型などの分業に近い物がありますね。

一方、作曲と編曲が分化していない曲の作り方もあります。
マルチトラックで録音できる機材や、シンセサイザーなどの機器が発達して、リズム、ベース、コード、ソロといった音楽のパートを全て自分で操れるようになってからの作り方ですね。曲のイメージをつかむためのデモテープなんかはそんな風に作られることが多いです。

自分がイメージしているものを、実際の作業を通して少しずつ具現化していく3Dプリンターは、そういう「個人の物作り」のスタイルに、道理で相性がいいわけだ、と思った次第。

I Saw the Light (2015 Remaster)
多重録音で一人で全パート演奏しちゃった名曲といえば、やはりこれでしょう。


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