劉慈欣の「三体」は、個人的には苦しく味気ない3年間を支えてくれた最高のエンターテイメント作品であり、その大ヒットは爽快だった。
その作者の第一短編集(日本独自編集)。
凄く懐かしいテイスト。
かつて日本のSF作家第一世代が作品を量産していた頃の熱量に近い物を感じる。
短めの作品が多いので、スラスラ読め、駄作は一つもない。
表題作であり最高傑作の「円」は、他アンソロジーで読んでない方にはぜひおすすめしたい。
「円」は、一言で言うと、
秦の始皇帝を暗殺に来た男が、世界初の人力計算機を作る話。
こんな変な話、気にならない人はいないのでは。
もう一つ挙げるなら「栄光と夢」。2003年の作だが「延期されたオリンピック」という言葉から始まる物語、日本人は何も感じずにはいられない。