プロジェクト・ヘイル・メアリー…雑感

あれほど「音楽とSFネタは一切読まれない弊ブログ」と書き続けてきたが、最近はそうでもなく、なんと先日のこの記事は、音楽ネタにして初の100回以上閲覧された記事になった。
デペッシュネタでさえも、80は超えたので、ブログの客層に変化が出たというか、厚みが増したというか。

ということは、そろそろSF記事も書いた直後にAmazonに走る人が出てこないとも限らない(急な自惚れ)。というわけで、久々にSFネタ。出版からだいぶ経った話題作「プロジェクト・ヘイル・メアリー」だが、ネタバレコメントしてもそろそろ怒られないだろう。「火星の人」は掛け値なしの大傑作だったが、続く「アルテミス」は面白いけど、流石にホームランではなかった。今作は、そりゃあ「火星の人」の飛距離には負けるが、しっかりしたホームラン。

アストロファージという架空の生命体が、人類滅亡の危機の原因となり、同時に救済の希望となり、全世界的計画の推進剤(文字通り)となり、高密度で話が展開していく。まさに思弁小説=スペキュレイティブ・フィクション (Speculative Fiction) としてのSFの醍醐味を感じさせる作品です。おすすめです。

並べ方逆だったな

以下、ちょっとネタバレ。

自分はファーストコンタクト物には「決定的に時間感覚が異なる異星人同士」の話がないなあ、いつか書いてやろうかな、などと思っていました。実際、何らかのコミュニケーション手段で意思疎通ができる種族が出てきた場合、両者間でその時間感覚の差異が生じない理由を説明した作品はほとんどなかったと思います。
ところが、このプロジェクト・ヘイル・メアリーはそれをさらっと理屈づけしていて、ちょっと面白かった。

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