完結「日本ハードボイルド全集」

刊行途中で編者の一人である、偉大な書評家・北上次郎氏が逝去されたことで、一時は全巻出ることはないのではないかと危ぶまれた「日本ハードボイルド全集」が9月に完結しました。
生島治郎氏、大藪春彦氏、河野典生氏、結城昌治氏が入るのは当然として、仁木悦子氏と都筑道夫氏が入っていることがこの全集の特徴であることは、誰もが認めるところではないでしょうか。
「冷えきった街」は初読でしたが「ハードボイルド全集」所収であること前提で読んでいる自分には、ロス・マクドナルド直系のハードボイルドにしか読めない作品でした。特段仁木作品の良い読者ではなかった自分にとっては、これは嬉しい出会いでした。
歴史的な流れを踏まえて、正しい価値付け、位置付けを行える編者の存在は本当にありがたい物です。
ここ10年以上、日下三蔵氏の偉業にどれだけ読書生活を豊かにしてもらっているか計り知れません。
いつも書いているようにこのブログ、音楽と本の記事、特に特別支援教育に関係ない本の話題はまったく人気がありません(まあ、当然ですけどね)。
でもまあ、たまには自分の趣味と一致した、なんて方もいる可能性があるので、この労作、よかったら書店で手に取ってみてください。
ちなみにあまりにも大きな影響を受けた都築道夫氏を除くと、この中で代表がもっとも好きな日本のハードボーイルド作家は…

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