まさに、時だけが敵

「続く」と書いたので、画伯からは「音楽ネタに匹敵する読まれなさ加減」とまで言われている、SFネタをしつこく。

1980年代は、老舗のSFマガジン以外にも、奇想天外、SFアドベンチャー、SF宝石、SFイズム、SFの本、SFワールド、スターログと、信じられないくらいたくさんのSF専門誌が定期刊行されていました。
自分が「時の他に敵なし」を知ったのは「SFの本」という評論専門の雑誌。ここにその年のネビュラ賞受賞作として「No enemy but time」が「時だけが敵」のタイトルで紹介されていました。

かっこいいじゃないですか「時だけが敵」。
韻を踏んでいて発音の快感があります。
夢の実態化を「シミュラクラ」としているところが時代を感じさせますね。

アメリカ最大の賞の一つであるネビュラ賞受賞作が翻訳されないということは滅多にありません。事実80年代は『楽園の泉』『タイムスケープ』『調停者の鉤爪』『スタータイド・ライジング』『ニューロマンサー』と傑作が目白押しで、ほぼ全てが翻訳されているのです。「時だけが敵」が翻訳されないのは、日本SF界最大の謎の一つだったのです。

なので、多くのSFファンは「夢によるタイムトラベル」とか「人類学テーマ」という話から「ビショップの悪い癖が出た、高尚で思わせぶりなんだけど、リーダビリティは高くない」作品だと想像していたと思います。自分もそうでした。
ところがどっこい、読んでみると…。

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