日本SFが誇る大傑作、雪風シリーズは以前にもちょっとブログで触れましたが、
1984年に第一作「戦闘妖精・雪風」
1999年に第二作「グッドラック」
2009年に第三作「アンブロークンアロー」
2022年に第四作「アグレッサーズ」
と、毎回10年以上のブランクが空くシリーズなので、最新作を読む前に、復習のために全作再読しました。そして改めて、とんでもない作品だな、と。
以下、ネタバレ。（誰も気にしないだろうけど、念の為）
第一作を雑誌でリアルタイムで読んでいた時には、未知の異星体「ジャム」の攻撃目標がどうやら人類ではなく、
「そもそもジャムは人類の存在を認識しておらず、地球のコンピュータ知性群を敵とみなしているらしい」
ことがわかってくる展開はぞくぞくしました。
これだけでも十分に歴史に残るアイディアです。
続く第二作では、どうやら人間の存在に気づき始めたジャムが、予想外の方向での戦い方を仕掛けてきます。
そして、第三作でジャムはなんと
「人間の実存」それ自体への攻撃を仕掛けてくるのです。
どうやったらそんな攻撃が可能なのか、そもそもそんなことを文学で表現できるのか、と思うかもしれませんけど、日本一のSF作家は奇跡的にこれを描き切ります。
そして第４作では、とうとう「ジャムと戦うために、ジャムになる」というとんでもない話が展開します。
現在第５部が連載中なので、また10年空くようなことは多分無いでしょうが、そもそもこれ、完結するのかなあ。
