真面目にベストSFを5冊挙げてみる:海外古典編その2

第4位「渇きの海」アーサー・C・クラーク

第5位からだいぶ間が開きましたが。
あの記事、今までの当ブログのSFネタでは圧倒的に読んでもらえたんですよ。
えーっと、普通の記事の半分くらいですけど。

今回はクラーク。
クラークも普通は「2001年宇宙の旅」「幼年期の終わり」「都市と星」あたりをあげる方が多いんですけど、僕は絶対にこれですね。

「22人の男女を乗せて、観光船セレーネ号は、月の渇きの海を疾駆していた。細かい塵におおわれた、風も波もない月の海原やそびえたつ岩山に、乗客はみな感嘆の声をあげる。だが、その船を突然の地殻変動が襲う。一瞬のうちに船は、塵の海のなかに沈んでしまった!ふたり乗りダストスキー以外に近寄るすべのない塵の海に沈んだ船を、いかにして援助するのか?息づまる救助活動を迫真の筆致で描いた、巨匠の長篇。」(早川書房の書籍紹介より引用)

重要な登場人物の一人、中継衛星ラグランジュ2号の天文学者トマス・ローソンの人物造形と活躍が最高。ただ単に月の砂(液体のように振る舞う微小な砂)の海に沈んだ観光船をどう救助するか、という話なのにものすごい面白さ。

この「地球とは比べ物にならない、多天体の過酷環境におけるピンチをどう切り抜けるか」というのが「火星の人」などに連綿と繋がっていくんですね。

これは旧版の表紙。レトロフューチャー!

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