冬に読んだ本1:「発達障害の人には世界がどう見えるのか」

2022年の夏に読んだ「科学から理解する自閉スペクトラム症の感覚世界」(著:井出正和)は、このブログでも紹介し、幸い多くの人に「買いました!」反応をいただきました。
ASDの感覚の問題の実態について、臨床分野から最新の知見を踏まえて説明してくれていた本書は大変な力作だったので、井出氏の次の本はなかなか出ないだろうと思っていました。
が、12月に結構あっさり出ました。
年末は読まねばならない本が多数あり(それは現在も続いているのですが)
「発達障害の人には世界がどう見えるのか」
を冬休みの最後にやっと読む事ができました。
今作は前著と同じような問題意識を踏まえて、実際のケースを例にしながら、よりわかりやすく説明してくれている本です。とても読みやすいので、これが気に入ったら、前作もぜひ。

都合よく「発達障害あるある、感覚障害あるある」な悩みを相談してくれる人や、それに理解を示せない現場の教員が、入れ替わり立ち替わり登場する、妙に良くできたエピソードを書き散らし、自分はそんな悩みにこんなに上手に対応してますよ、と言うのだけの自称研究者がいるような、いないような。
そういう人たちが揶揄する「現場の教員」も、ネタにされている「当事者」も、本当に必要としているのは井出氏のようなちゃんとした研究をしてくれる研究者、ちゃんとした成果としての書籍だ、と自分は思います。

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